店内で流れるBGM。
これらはどうやって選ばれているのでしょうか?
「なんとなく店の雰囲気に合いそう」
「自分の好きな音楽をかけている」
「とりあえず流行りの曲をかけている」
など
「なんとなく」で選んでいるお店が
けっこう多いのかもしれませんね。
でも実は
お店で流すBGMが
店の売上げに大きく影響するとしたら?
今、世界ではそんな研究が進み
日本でもマーケティング手法として取り入れる動きがあります。
なかなか興味深い事例があるので少しご紹介します。
- 100円ショップのBGMが変わった?
- これから音マーケティングの時代が来る
- BGMのテンポで注文が3倍に?
- 音楽だけじゃなく、自然音も取り入れた音のコントロール
- 店内BGMが店の売上げに影響?音マーケティングの可能性
100円ショップのBGMが変わった?
先日、久しぶりに大型商業施設に
買い物に出かけた時のこと。
全国展開する100円ショップに入ってすぐに
「あれ?なんか店の雰囲気がかわったかも」
と感じました。
気づいたのは店で流れるBGMの変化。
以前はその店のオリジナルソングだったのが
ちょっと洒落たラテン系の
ゆったりしたテンポのBGMになっていました。
以前かかっていたオリジナルソングは
店名が連呼されるアップテンポの曲。
これが繰り返し流れていたので
曲調がガラッと変わったことで
少し落ち着いた雰囲気になったように感じました。
せっかく店舗の名前を入れたオリジナルソングがあるのに…
それでもBGMを変更したのには、
何らかの理由があるのでしょう。
これから音マーケティングの時代が来る
例えばアレクサのようなスマートスピーカーなど。
いま世界的に音声対話型AIアシスタントの利用が拡大するなど
「音の時代が来る」と言われ
世の中的に「音」への注目度が上がるとともに
音に関する研究が進んでいます。
そんな中で
音を使ったマーケティングも注目され始めています。
特にアメリカでは店舗の音環境と
顧客の行動の変化、購買意欲の変化などの研究も進み
実際にBGMなどの音を使ったマーケティングを取り入れる
店舗も増えています。
まだまだ日本は遅れているようですが
音マーケティングの時代は来るでしょう。
では実際にどんな効果があるのか?
少し事例をご紹介します。
BGMのテンポで注文が3倍に?
音楽には
アップテンポのものやスローテンポのもの、
調の明るいものや暗めのもの、
歌や楽器の種類や数などなど
それを構成する様々な要素があります。
その中でも
特に曲のテンポが人の感情や行動の変化に
影響を与えることが多いようです。
例えばこんな研究が。
飲み屋でかかるBGMは
アップテンポの曲を流した時のほうが
スローテンポの時よりも
同じ時間内に1席あたり平均で約3倍の注文が入る
というデータがあるようです。
すごくないですか?
特にアルコールを飲むペースに対して
音楽のテンポの影響は大きく
様々な店舗での研究が進んでいるようです。
ただ
アップテンポの曲は短期的に注文が入る一方、
リピーターとなる顧客を獲得するには
スローテンポの曲のほうが向いているというデータもあり
店舗のスタイルによっても使い分けが必要になります。
音楽だけじゃなく、自然音も取り入れた音のコントロール
もう一つの事例。
こちらはアメリカにある生鮮食品を扱う店舗が
かなり巧妙に音のマーケティングを取り入れた事例です。
その店では
①店舗の入り口には
アップテンポで曲調も明るいラテンミュージックを流し
②店内に入ると歌なしのゆったりした音楽。
③さらに奥に入ると、そのゆったりした音楽に
水の自然音をミックスしたものが流れます。
実はこの3段階の音の変化で
顧客の行動をコントロールしているとのこと。
①店先のアップテンポなラテンミュージックは
顧客の購買意欲を掻き立て店内に誘導する役割。
②店内のスローなBGMは
歩くスピードをゆっくりさせて
いろんな商品を手にっ取ってももらう効果が。
③そして最後の水音で
店舗の奥にある魚売り場での購買意欲を促進するのだそうです。
人は潜在的に水音を聞いて
それに関連するもの、つまり海の魚を連想し
購買意欲が掻き立てられるのです。
「店に入り、野菜などを買いながら
気が付いたら奥の魚売り場で魚を買っていた」
そんな顧客の行動を、意図的につくっているのです。
店内BGMが店の売上げに影響?音マーケティングの可能性
音は、ほんとうに様々な要素で構成されています。
テンポ、曲調、音色、楽曲構成、楽器構成
そのほか、曲を流す音量や時間帯などなど…
研究が進めば進むほど
「アップテンポなら〇〇だ」
「明るい曲なら〇〇だ」
といった単純なものではなく
その店のスタイルや環境、客層などにもよって
様々なデータが出てくると思います。
そういう意味ではまだまだ未知の世界です。
でも、もしかしたらほんとうに顧客の行動に
大きな影響を与えるかもしれない音マーケティング。
これをお金をかけずに
店でかけるBGMの傾向を変えながらテストし
データをためることで
売上げアップにつなげられる可能性を秘めています。
もし少しでもその可能性を感じた方は
今から少しずつ取り入れてみてもよいのではないでしょうか。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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