こんにちは。コトノバです。
「トヨタの7つのムダ」をご存知でしょうか?
あの世界のトヨタが生産性を上げるために排除すべき「7つのムダ」というものを掲げ、周知徹底してきたもの。
その7つは以下のとおりです。
- 作りすぎのムダ
- 手待ちのムダ
- 運搬のムダ
- 加工そのもののムダ
- 在庫のムダ
- 動作のムダ
- 不良をつくるムダ
これは、つい先日ブログの記事で「ムダなことが好き」「ムダこそ大切」的なことを言っていた私の意見とは真逆のこと。
放っておくわけにはいきません。
では、
どういうムダは排除すべきで
どういうムダは大切にすべきなのか
自分なりの考え、整理してみようと思います。
排除すべきムダ、大切にすべきムダ
あらためて、先ほどあげたトヨタの7つのムダをみてみると、たしかにどれも排除すべきといえは排除すべきムダ。
さすが世界のトヨタの考えること。考え抜かれている気がします。
でも、やっぱりとらえ方によっては、排除してはいけないムダもあるように思います。
例えばわかりやすいところで「7.不良をつくるムダ」
不良品をつくるのは、ふつうはどう考えもムダなことのように思います。
でもご存知でしょうか?
不良品から生まれた大ヒット商品もたくさんあります。
例えばノートに印をつけたりメモを添えるためのポストイット。
アメリカの3Mという会社が、強力接着剤を作ろうと思って失敗し、すぐにはがれていまう接着剤を使ったのがきっかけ。
あまりにも簡単にはがれていまうので、他に何か使えないか?と考え、生まれたのがポストイットです。
ほかにもコカコーラは、アルコールや麻薬依存者の薬用品を作ろうとして、水と間違え炭酸水を入れたのがきっかけ。あまりにも爽快な飲み物ができたので、嗜好品として売り出されたものだったり…
ポテトチップスも失敗から生まれたもの、
ふつうに考えたら「ぜったいダメだろう」と思える「不良をつくるムダ」こそ、
大ヒット商品を生んでいるといっても過言ではないかもしれません。
排除すべきは、ムダな行為そのものではないような気がしてきました。
ムダを排除すべきかどうかは目的しだい
トヨタという大きな組織で、大量に製品をつくる過程に少しでもムダがあると、それは大きな損失です。
あれだけの大きな組織で、ある1つの工場の1人のほんのささいなムダを見逃すことは、実はものすごく大きなロスを生むことになります。
それを防ぐために、7つのムダを可視化し、そムダが出ないよう仕組化して徹底することで、大きく生産性を上げています。
組織の中で、決まった業務を遂行するには、徹底的なムダの排除が必要となります。
会社という組織で働くと、どんどんムダを排除し、効率化のスキルが身についていきますが、それはとても理にかなっています。
ただ、ユニークな何かを生み出す、という目的においては全くべつの話なのでは?と感じています。
トヨタも、決まった製品をつくる工程では、徹底的にムダを排除する一方、
新しい商品、サービス、事業を生み出す過程においては、どんな会社にも負けないほどの失敗を繰り返し、ムダを積み重ねてきたのだと思います。
ムダは必要?
会社に勤めてきてふと、
自分はムダの少ない人間、
言い換えると、どんどんつまらない人間になってきているかもしれないなあ、と感じることがあります。
組織の中で、売上やチーム運営の目的を達成するには、ムダの排除はとても大切な要素です。
でも、この先、個人としてサービスを提供していくためには、いかにムダと向き合うか、そのバランス感覚を忘れないことが、とても大切な気がします。
うまくいくかわからないこと、
その確率が低いことにチャレンジすることこそ、
ユニークな価値を生み出す方法なのかもしれません。
個人だからこそできるムダな行為を、できるだけたくさん積み上げていこう、
そんなことを思っています。
ここまで読んでいただきありがとうございます。