Cotonova Blog

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無音の空間を体験。サハラ砂漠と無響室

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こんにちは。コトノバです。

 

突然ですが、無音の空間を体験したことはありますか?

 

実は私、過去に2度、無音を体験したことがあります。

一度は無響室、もう一度はサハラ砂漠での体験です。

 

先日、「はじまりのうた(原題:BEGIN AGAIN)」という映画を観て、このことをふと思い出したので書いてみました。

 

 

無響室(むきょうしつ)で無音の空間を体験

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まず無響室とは?ですが、これは読んで字のごとく響きの無い部屋です。

 

主に研究などに使われるために作られる部屋で、何層にも遮音材を入れた分厚い壁で外部の音が遮られ、また内側の壁も極力、音の反響が起こりにくい材質や形状で作られた部屋になります。

 

私は以前、音のエンジニアをしていた頃にこの無響室に入る機会がありました。

 

「貴重な体験だ」と思って少しワクワクしながら中に入ったのですが、

ただ三枚の大きな扉を一つずつ閉め無音になった瞬間、急にとても息苦しい感覚におそわれました。

 

すぐに耳がツーンとなり、周りの空気にギュッと押し付けられ、ほんの数秒間そこにいるだけで逃げ出したくなるような気持ちになったのを覚えています。

 

正直。入る前まではレコーディングスタジオと大差ないのでは?と思っていたのですが、少なくとも私にとっては全く違う、息苦しい空間だのを覚えています。

 

サハラ砂漠で無音の空間を体験

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もう一つがサハラ砂漠での体験。

 

私は昔一人旅をしたときモロッコのサハラ砂漠に行ったことがあります。

 

近くの町まで行き、そこから車とラクダを乗り継ぎ砂漠に入ると

 

現地で同行した4名とラクダ以外、目に見えるのは四方八方を見渡してもただただ砂だけ

 

聞こえるのは本当に風の音だけです。

 

しばらくボーっと風に吹かれてどんどん形を変える砂山を眺めていると突然、ピタリと風が止む瞬間に遭遇しました。

 

その瞬間、本当に全ての音が消えました

 

おそらくほんの数秒間のことだったのですが

なんとも言えない解放されたような感覚

 

ちょっと大げさかもしれませんが、天国にいるような幸せな気持ちで、何故だかわからないのですが涙が出てきてしまう

そんな体験でした。

 

同じ無音でも、目に見える景色の違いで全く異なる体験に

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同じ「無音の体験」なのですが、この2度の体験で感じた感覚は、全く対極の感覚でした。

 

方やサハラ砂漠では無音になった瞬間、解放感に満たされ、

方や無響室では押し付けられるような息苦しさ

 

私が感じたのは

無音には、人の感情を大きく揺さぶるような力があるということ。

 

そして、同じ無音空間でも、目に見える景色でその感情は全く異なるものになるということでした。

 

映画「はじまりのうた」(原題:BEGIN AGAIN)を観て

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私は先日、「はじまりのうた」という映画を観て、この無音の体験のことを思い出しました。

 

映画の詳しい内容は割愛しますが

 

この映画の中で、とても印象に残った大好きなシーンでのセリフ

 

音楽は魔法だ。ありふれた平凡な景色が真珠のように輝く。

 

という言葉がきっかけです。

 

そのとき聞こえる音楽で、ありふれた平凡な景色が違った景色に変わるように、

 

同じ音の体験でも、目に見える景色で全く違う感情を呼び起こす。

 

そんなことを、思い出させてくれました。

 

無響室も砂漠も、

人によって、またその時の心境などによっても全然違う印象を持つものだと思います。

 

ただ無音の空間は、(少なくとも私の場合は)想像以上に不思議な空間ですので、興味のある方は、機会があれば是非一度体験してみてください。

※最近は無料で気軽に無響室を体験できる施設もあるようです。

 

あと、映画「はじまりのうた」(原題:BEGIN AGAIN)も、元気の出るとても素敵な映画。よかったら一度観てみてください。


はじまりのうた BEGIN AGAIN(字幕版)