こんにちは。コトノバです。
YouTube動画を編集していざアップした後、「どうも肝心のトークの声が聞きづらい」「でもどうやればいいのかわからない…」という方もおられるのではないでしょうか?
この記事を読むと、YouTube動画の音声を聞きやすくするコツが掴めるようになります。
YouTube動画編集で声が重要な理由
まず最初に、少しYouTube動画で声がとても重要な理由ですが
これはYouTube動画のメッセージの大半が音声によるものだからです。
というのも例えば、YouTubeの音声を消して映像だけ観ても、その動画のメッセージはほとんど伝わらない場合が多いと思います。
一方、画面を観ずにイヤホンで音声だけ聞いても、そのメッセージが充分伝わることは多いと思います。
つまり、YouTube動画はその音声、特にトークの声をいかに聞こえやすくするかが重要なポイントになってきます。
そこでサウンドエンジニア歴12年の私が、トークの声を聞きやすくする編集方法とそのコツをご紹介します。
目次
- まず動画の収録の時に気をつけよう
- カット編集はトークの間(ま)を意識してつなごう
- 声の音量の調整のコツ(ちょうどいいレベル)
- 声の音質の編集のコツ(聞きやすくする)
1.まず動画の収録の時に気をつけよう
聞きやすい音声にするには、まずYouTube動画の収録時が一番大切です。
今回のこの記事では基本的に収録した後の編集での音声処理を中心に説明します。
ただ、あくまで音声は収録音の状態でほとんど決まってきますのでその点も少しだけ触れておきます。
声を収録する場合、よく「声の芯をとらえる」と言います。
声には、一番聞きやすい音の方向があり、これを声の芯と言います。
誰かに話すとき相手の方を向いて話すと思いますが、その時のその聞き手がいる方向です。
スマホでの収録は特に注意
スマホで動画収録する場合、スマホの機種によってマイクの付いている位置が異なるので必ずマイクの位置は一度確認して把握しておいてください。意識しておくだけでもかなり違うと思います。
特にスマホカバーでマイクがふさがれているといった場合、かなり音がモコモコ聞きづらくなるのでご注意を。
とはいえ、動画を撮る時は映像優先にしないといけないので、別途マイクを購入して収録するのをおすすめします。
スマホ用に売っている2,000〜3,000円程度のものでも充分ですので、1つ購入しておくと「音が悪すぎて後で困った」ということもかなり避けられると思います。
2.カット編集はトークの間(ま)を意識してつなごう
収録した動画をカット編集する場合も、カットの繋ぎ方により、とても聞きづらいものになることがあるのでご注意ください。
よく見かけるのは、編集ポイントで言葉が詰まり過ぎてトークがぎこちなく聞こえるケース。
特に細かくカット編集されている場合、トークのテンポ感が不自然になり、聞く側の集中力が削がれてしまいます。
ここで大切なのが、トークの間(ま)を意識して繋ぐということです。
「トークの息継ぎ」の隙間(すきま)をつくる
具体的には、YouTube動画で画面に向かって話す人の「息継ぎ」の隙間を空けて繋ぐイメージです。
ほんの1秒前後のことですが、この隙間があるのと無いのとでは、メッセージの伝わり方が大きく変わるのでぜひ試してみてください。
なお、編集ポイントの前後にすぐ声があって隙間が無いという場合は、動画の別の部分からホワイトノイズ(空気音)を持ってきて貼り付ければOKです。
その場合、ホワイトノイズを貼り付けた隙間の部分で一瞬、画面の口の動きが口パクになりますが、気にしなくて大丈夫です。(テレビなどでもよくある事ですが、ほとんど誰も気になりません)
なお、カット編集ポイントでもしプチっという小さなノイズが出るなら、1〜2ms(ミリ秒)程度のフェードをかけると良いでしょう。
編集ソフトによっては、最初からそういう設定になっているものもありますが、たまにYouTubeを観ていて編集ノイズが結構激しいものもあるので、少しだけ意識してみてください。
3.声の音量の調整のコツ(ちょうどいいレベル)
次は声の音量です。
YouTube動画をいくつか続けて観ていると、急に音量が大き過ぎたり、小さ過ぎたりするものがあります。
びっくりするくらい大き過ぎるのは大抵BGMだと思いますが、これは不快感に繋がるので他の動画と聴き比べて調整してください。
今回は声の音量について。
声の音量は小さ過ぎるとアピール力に欠けて見飛ばされる可能性があるので注意しましょう。
全体の音量を持ち上げる
まずは声全体の音量を持ち上げる方法から。
編集ソフトのメーターを見ながら手動でフェーダーを使って音量を上げてもいいですが、動画全体の一部でもメーターのピークを超えると音が割れてしまうので注意が必要です。
そんな時、ノーマライザーという機能を使うと便利です。音声のエフェクト機能が付いたソフトなら大抵付いている機能だと思います。
ノーマライザーはソフト上で音声全体を選択してONにすると、1番音量が大きい音を基準に一括で最大限 音量を上げてくれる機能です。
これなら音割れは起こらないので安心です。
ぜひ使ってみてください。
なお、このあと紹介するリミッターやイコライザーを使う必要がある場合は、ノーマライザーは最後に使ってください。
最初に全体音量を持ち上げてしまうと、後で細かい調整をした後にもう一度全体調整が必要になるので、基本的にノーマライザーは最後と覚えておいてください。
声の大小のバラツキを揃える
動画全体を通して聞いた時に、トークの音量がすごく大きいところと小さいところが混在する場合があります。
静かな場所で動画を観ている時は我慢できても、外や電車の中など騒音のある場所ではとても聞きづらいもの。
こういうとき知っていると便利なのがリミッターという機能です。
リミッターは、音が極端に大きいところを圧縮させて、音量をある程度均一化させてくれる機能です。
あまり強くかけ過ぎると声の勢いがなくなったり、少し違和感のある音になる場合もあるので程々に使ってください。1〜2db(デシベル)ぐらいの範囲で圧縮を目安にしてみてもください。
他にも、音の小さい部分を持ち上げ、音の大きい部分を抑えるコンプレッサーという機能もありますが、調整が難しいのでまずはリミッターを使いこなすようになってから試してみるのをおすすめします。
4.声の音質の編集のコツ(聞きやすくする)
最後に音質の調整についてです。
収録した声がこもった感じでどうしても聞きづらい場所、イコライザーを使います。
イコライザーは、つまり音のトーンの高さ、つまり音域ごとの音量を調節する機能です。
声質や収録状況によって調整するポイントは異なりますが、目安として男性の場合600〜800Hz(ヘルツ)あたり、女性の場合は800〜1200Hzあたりが調整するポイントになります。
この範囲の帯域を少し持ち上げて、音の抜けが良くなるポイントを探ってみてください。
レベルの上げ幅はだいたい3db(デシベル)前後が目安です。
ポイントが見つかるとある程度すっきり聞きやすい音質になると思います。
操作上の注意点としては、帯域を探る際、あまり変化がない場合は一旦もとのレベルに戻して次の帯域を試すように心掛けてください。
あっちもこっちもレベルを変えると、何が正解かわからなくなるので、一つずつ試すようにしてみてください。
慣れてくると、音を聴くだけでなんとなくどの辺りの帯域が適切かの判断ができるようになると思います。
耳で感じ取れない音域をカット
あと、HIGH PASS(ハイパス)、LOW PASS(ローパス)という機能もおすすめです。
使うソフトによってはLOW CUT(ローカット) HIGH CUT(ハイカット)という名称の場合もありますが、基本的に同じです。
※HIGHを削る(CUT)と、LOWを通りやすくする(PASS)という言い回しの違いでやってることは基本的に同じです
こちらは、人間の耳ではあまり感じ取れない音域(100Hz以下、3,000Hz以上など)をバッサリ削ってしまうものですが、かなり声の輪郭がすっきりするので、この機能は毎回ONにしてもOKです。
まとめ
音の編集、特に人間の声の編集はとてもデリケートですが、少しの調整でもかなり聞こえやすくなる場合があります。
特にYouTube動画は内容にもよりますが、人によっては映像を観ずにイヤホンで音声だけを聞く人もいるので、動画の視聴率にも大きく影響すると思います。
ただ特に音質はあまり極端に編集しすぎると、何が正しいのかわからなくなったり、かえって違和感のある音質になってしまうこともあるので、くれぐれもやり過ぎないようにご注意ください。
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