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農泊とは?をわかりすく解説。農家民泊と農家民宿の違いなど、民泊新法制定後のまとめ

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ここ最近、インバウンド(訪日外国人旅行者)の間で少しずつブームになりつつある農泊(ファームステイ)

 

農泊をネットで検索すると古い情報が混在しているようですので、民泊新法制定後の2020年10月現在の情報を簡単に整理しています。

 

農泊に興味をお持ちの方は、ぜひご参考にしてください。

 

 

目次

  • 農泊とは?
  • 「農泊」「農家民泊」「農家民宿」の違いは?
  • 農泊の今後の可能性

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農泊とは?

「農泊」とは、 農家や古民家などにに宿泊して日本の伝統的な生活体験をするというもの。
近年、 農林水産省が積極的に支援している農山漁村滞在型旅行を指しています。

 

旅行者が農業や漁業などを体験しながら古民家や農家・ 漁家に宿泊し、それぞれの土地に根付いた魅力を発見・体感する新しい旅のスタイルです。

 

地方に残る日本本来の生活やその土地独自の文化を肌で感じることができることから、体験を通じた旅の感動を求めるインバウンド(訪日外国人旅行者)の地方誘客策として国も力を入れ始めています。

国内でも、これまで主に小中高生の学習旅行などで活用されてきましたが、少しずつ日本人旅行者にも需要が生まれて来ています。

 

もともとはフランスやイギリス、ドイツなどで始まった地方の農村に滞在して休暇を楽しむグリーンツーリズムを参考にしたもの。

農泊という言葉は、大分県の「安心院町(あじむまち)グリーンツーリズム研究会」が「農村民泊」の略として使い始めたものだと言われています。

 

農泊は一般的な民泊よりも規制が緩やかに設定されているため個人の参入ハードルも比較的低く、すでに参入した農業経営者の成功事例も増加傾向。地方活性化の更なる可能性に期待が高まっています。

 

 

「農泊」「農家民泊」「農家民宿」の違いは?

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まず「農泊」については、「農家民泊」「農家民宿」をひっくるめた旅のスタイルの総称という位置付けです。

 

農家民泊」「農家民宿」の違いについてですが、これはどの法律に基づいて営業するか、の違いになります。

 

住宅宿泊事業法(民泊新法※2018年制定)に基づくものが農家民泊

旅館業法(簡易宿所)に基づくものが農家民宿と呼ばれています。

 

◾︎「農泊」「農家民泊」「農家民宿」の関連性イメージ図

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農家民泊」「農家民宿」の特徴を簡単に言うと、

農家民泊の方がより簡単に始められる分、年間の営業日数などに制限(180日以内)がある。

農家民宿は、営業日数などの制限はないが、始めるにあたっての設備や許可申請が必要となる、といったところが大きな違いです。

 

農家民泊については、2018年に民泊新法ができるまで宿泊事業としての明確な法律がなかったため、宿泊料金を取ることができず、体験サービスの代金に含むような形で宿泊を提供していたのが実態、少し曖昧な状態でした。

 

ですので民泊新法が制定された現在、農泊を始める場合はいずれかの法律に基づいて届出、または許可が必要になりますので注意が必要です。

 

下の表はそれぞれを対比しやすいよう表にまとめたものです。

 

◾︎「農家民泊」「農家民宿」の詳細条件比較表

  住宅宿泊事業法(民泊新法)
農家民泊
旅館業法(簡易宿所)
農家民宿
許認可など 届出 許可
提供日数の制限 年間営業日数180日以内(条例で引き下げ可能) なし
宿泊者名簿の作成・保存義務 あり あり
玄関帳場の設置義務 宿泊者名簿の作成・保存ができれば物理的設置は求めない。 なし(条例による設置義務付けも可能)
構造上の許可要件 定員数×3.3㎡以上。 延床面積33㎡以上(定員が10人未満の場合は定員数×3.3㎡以上で足りる)等
台所・浴室・便所および洗面設備を有すること 建築基準法において措置
上記以外の衛生措置 定期的な清掃等 換気、採光、証明、防湿、清潔などの措置
非常用照明などの安全確保の措置義務 家主居住型で民泊部分の面積が小さい場合は緩和 建築基準法において措置
消防設備の設置(消火器、誘導灯、連動型火災警報器) 家主居住型で民泊部分の面積が小さい場合は緩和 建築基準法において措置
不在時の管理業者への委託義務 あり なし

 

 農泊の今後の可能性

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農泊の今後の発展の可能性は充分に期待ができると考えられます。

 

主な理由は以下です

  • 国が農泊の推進に力を入れている
  • インバウンド旅行者のニーズが地方に移る傾向にある
  • 農泊はサービス面でも運営のハードルが比較的低い

 

国が農泊の推進に力を入れている

農泊が発展する可能性が高い理由としてまず1つは、国が農泊の推進に力を入れていることが挙げられます。

 

人口減少・地方過疎化が大きな課題となる中、国は民泊新法の制定だけでなく地域活性に大きく影響を与える農泊の推進にさまざまな対策をし予算も投入しています。

各自治体でも農泊支援のプログラムを準備し、すでにその実績も現れています。

 

また、最近では各農家への集客においても農泊予約のためのポータルサイトが立ち上がるなど、今後ますます高齢者の多い農家がより営業しやすいための仕組みが構築されようとしています。


インバウンド旅行者のニーズが地方に移る傾向にある

さらに国が力を入れる背景として、インバウンド(訪日外国人旅行者)の旅行スタイルの傾向の変化も大きな理由です。

 

数年前まで観光地の主流はゴールデンルートと呼ばれる東京-大阪間でしたが、年々その傾向は地方都市へと移りつつあります。

 

これは日本への旅行が2回目3回目となるリピーターが増えるごとにゴールデンルートでは飽き足らず、より日本の文化や生活に触れられる地方へと感心が移り変わる傾向にあるためです。

また地方の日本らしさを体験した旅行者がその魅力を情報発信することで、さらにその魅力を求めて訪日する旅行者が増加している現状があります。


農泊はサービス面でも運営のハードルが比較的低い

ここで、「農業経営者が農泊を始めるにあたり、言語対応など含むサービスが難しいのでは?」という疑問が生まれます。

 

もちろん新たな事業として取り組む上での課題はあると思いますが、農泊は一般的な旅館やホテルとは大きく異なる点があります。

 

それは、旅行者が農泊に対して求めるものが「農家のありのままの生活に触れる魅力」だということです。

 

どうしても、旅行者を受け入れるとなると「最低でも英語を話せるようにならなければ」「家をリフォームしなければ」と心配になります。

 

ただ農泊を求める旅行者にとっては、ホテルなどの均一的で流ちょうな英語での接客よりも、むしろ言葉が通じない中で生まれる人間味のあるコミュニケーション。

また綺麗にリフォームされた家よりも、普段のままの生活感がにじみ出た日本の家屋にこそ魅力を感じることが過去の事例、アンケート調査などでもわかっているようです。

 

まとめ

  • 農泊は運営するための法律が整理され参入のハードルがさがっている。
  • 農業民泊と農家民宿では、農家民泊の方が営業開始しやすい。
  • 農泊の需要が高まり、日本は国としても積極的に対策を進めるている。
  • 農家の「ありのままの生活」が、旅行者にとっての1番の魅力である。

 

これらを踏まえると農泊は、現在農業を営む人、またこれから農業を始める人にとっての新たな収入源として、また新たな楽しみとして良い環境が整いつつあると考えられます。